教育と躾の違いについて
教育と躾はほぼ同義ですが、違いがあります。前者は人間形成を含め教養を身に着ける事が目的です。広義には、勉強から一般常識を習得する事、また、一般常識よりも深い専門知識を習得する事、そして、集団生活などから人間関係を学ぶ事を意味しています。それは座学だけではなく、体験や経験から培うものもあるという事です。一方、後者の躾とは、座学から学ぶのではなく、体験や経験から学ぶものばかりです。前者の中に含まれる、集団生活などから人間関係を学ぶというのも躾の一環とみなされます。しかし、躾とはそこからだけでなく、親や先人である人が一方的に教え、体験させ、その人に身に付かせる行為だといえます。躾は良い方向でもできますが、悪い方向でもできます。
親や先人の躾が、必ずしも良い躾とは限りません。例えば、悪い躾をしてしまえば、その人はその事が常識となってしまいます。善悪の判断としては、とても難しいものになってしまうのです。従いまして躾は、行う側の方法や考え方によって違ってきます。教育も同じ節はあります。しかし、答えが決まり切っているものもありますので、間違った方向へ向かう事は避けられる傾向にあります。
教育と躾は似ていますが、前者は、答えがある場合があり間違った方向へ向かう事を防ぐことができるという事、また、与えられるものではなく、自発的に学ぶ事のほうが多いという事が言えます、躾は与えられるもので、指導する者によって間違った方向へ向かってしまう恐れがあります。2つの違いはそこにあります。